こんにちは。BooSTの畠山です。
今回は「サルコペニアの骨折・転倒の発生率〜骨粗鬆症を合併しやすい?〜」についてお話しをさせていただきます。
参考文献
今回は「イチからわかる!サルコペニア Q&A」を参考にさせていただきました。
筆者は筑波大学 山田 実氏です。
リンクを記載しますので、詳細を知りたい方はご参照ください。
https://www2.human.tsukuba.ac.jp/faculty_j/yamada-minoru
はじめに
サルコペニアは有害健康転帰(adverse health outcomes)に大きな影響を及ぼすことは繰り返しお伝えしております。
有害健康転帰とは、転倒、入院、要介護への移行、死亡など、健康に有害となるイベンが発生することを指します。
特に、医療従事者にとって転倒は最もハラハラするアクシデントの1つです。
今回は運動器のプロフェッショナルである理学療法士がサルコペニアと転倒との関連にフォーカスを当てて解説します。
サルコペニアと骨折・転倒の関係
サルコペニアを発症することで、骨折は約1.3倍、転倒は約1.5倍に高まることが報告されています。
こちらは、外来で治療を受けている高齢者、地域で生活をしている高齢者、入院して治療を受けている高齢者という3つのグループ間で差が認められないという結果になりました。
また、男女差も認められなかったと報告されています。
サルコペニアを発症すると、いずれの状況においても骨折や転倒の発生率が高まることが示唆されているため、注意が必要です。
サルコペニアが骨折・転倒の発生率を高める理由
では、サルコペニアが死亡率を高める要因は何が考えられるのでしょうか?
・筋力が低下する
・抗重力筋が萎縮する
・骨格筋量が減少する
・骨粗鬆症との関連が認められる など…
サルコペニアは握力、骨格筋量、歩行速度で簡単に診断することができます。
筋力は「骨格筋の随意的な収縮によって起こる張力」とされています。
つまり、筋力とは、骨格筋が収縮した際の張力の総和であり、筋線維の数と量によって決定します。
筋力が骨格筋の横断面積に比例すると言われている所以です。
そのため、サルコペニアにより骨格筋量が低下すると相対的に筋力も低下するため、転倒しやすい状態に陥ると考えられています。
また、姿勢保持や歩行を遂行する抗重力筋は、加齢による退行性変化の影響を受けやすいため、転倒を誘発する原因だと考えられています。
サルコペニア(sarcopenia)と骨粗鬆症(osteoporosis)は共通点が多く、合併率が高いことが指摘されています。
サルコペニアは筋の疾患であるため、サルコペニアを単独で発症している場合は、骨折との関連は低く、転倒との関連は高いと思われます。
一方、骨粗鬆症は骨の疾患であるため、合併して発症することで、骨折との関連も高まると思われます。
つまり、両者が合併することで骨折と転倒の発生率が高まることを示唆しています。
さいごに
サルコペニアを発症することで、骨折は約1.3倍、転倒は約1.5倍に高まることが報告されています。
これは、外来で治療を受けている高齢者、地域で生活をしている高齢者、入院して治療を受けている高齢者という3つのグループで差が認められないという結果になりました。
サルコペニアは骨粗鬆症との合併率が高いため、骨折と転倒の発生率に注目して、早期発見・早期治療する意識をもつことが重要です。
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