こんにちは。BooSTの畠山です。
今回は「猫背の原因は〇〇○筋が原因!?〜理学療法士が“歩行”にこだわる理由〜」についてお話しをさせていただきます。
参考文献
今回は「イチからわかる!サルコペニア Q&A」を参考にさせていただきました。
筆者は筑波大学 山田 実氏です。
リンクを記載しますので、詳細を知りたい方はご参照ください。
https://www2.human.tsukuba.ac.jp/faculty_j/yamada-minoru
はじめに
骨格筋量は40〜50歳から約1%/年の減少が生じると解説しました。
人体には400個以上の骨格筋が存在すると言われています。
しかし、全ての筋が同様に加齢による退行性変化の影響を受ける訳ではありません。
今回は運動器のプロフェッショナルである理学療法士が加齢による退行性変化を受けやすい筋をピックアップして解説します。
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退行性変化による影響を受けやすい筋
高齢者が円背で杖で歩いている様子は街中でもよく目にする光景だと思います。
椎骨の変形も1つの原因です。
しかし、最近は姿勢保持に関連する“抗重力筋”の筋力低下が主原因ではないかと考えられています。
抗重力筋には以下の特徴があります。
・typeⅡ線維を多く含んでいる
・抗重力筋の筋力低下に性差は認められない
・姿勢の保持に関連している
・上肢<下肢に分布している
・体表に走行している
骨格筋は抗重力筋を中心に退行性変化を呈するため、抵重力筋をターゲットとした筋力トレーニングはサルコペニアの予防に重要だと言えます。
typeⅠ線維とtypeⅡの違い
皆さんは骨格筋に種類があることをご存知でしょうか?
○typeⅠ線維
typeⅠ線維は“赤筋”を指しており、“筋持久力”に影響を及ぼしています。
そのため、駅伝やマラソンを専門としているアスリートで赤筋の割合が高いことが報告されています。
typeⅠ線維では加齢による退行性変化の影響を受けにくいことが特徴です。
○typeⅡ線維
typeⅡ線維は“白筋”を指しており、“筋瞬発力” に影響を及ぼしています。
そのため、100m走などを専門にしているアスリートで白筋の割合が高いことが報告されています。
typeⅡ線維では加齢による退行性変化の影響を受けやすいことが特徴です。
表に違いをまとめました。
高齢者の骨格筋はtypeⅠ線維が優位となるため、姿勢を保持することが困難となり、円背を呈するようになります。
抗重力筋の筋力を維持する方法
抵重力筋を個別に強化することが理想です。
しかし、高齢者の場合は現実的ではありません。
そのため、歩行による有酸素運動が推奨されています。
○歩行のメリット
・家族や友人とコミュニケーションの機械に繋がる
・継続的に実施しやすい
・抗重力筋を総合的に収縮させることができる
・低負荷で反復した筋収縮が得られる
・特別な道具が必要ない など…
○歩行のデメリット
・夏季は熱中症の対策を行う必要がある
・筋肥大は得られない
・天候に左右される など…
歩行は姿勢保持に必要となる筋力の維持につながる可能性がある運動だと言えます。
デメリットになる場合は滅多にありません。
おわりに
今回の記事で高齢者の円背の原因は抗重力筋の筋力低下が原因だと解説しました。
抵重力筋を個別に強化することが理想ですが、高齢者の場合は現実的ではありません。
ウォーキングは抗重力筋を総合的に収縮させることができるため推奨されています。
また、日光を浴びることでビタミンDが活性化されるため、骨粗鬆症の予防にも繋がります。
家族や友人と会話しながらウォーキングに取り組んでみてはいかがでしょうか?
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