【高齢者医療・介護】高齢者の毎日の運動は必要ない!?

こんにちは。株式会社BooSTの畠山です。

今回は「高齢者の毎日の運動は必要ない!?」についてお話しをさせていただきます。

参考文献

今回は「イチからわかる!サルコペニア Q&A」を参考にさせていただきました。

筆者は筑波大学 山田 実氏です。

リンクを記載しますので、詳細を知りたい方はご参照ください。

https://www2.human.tsukuba.ac.jp/faculty_j/yamada-minoru

はじめに

resistance exerciseは筋肉に負荷をかけて、繰り返し行う運動を指します。

骨格筋の蛋白質の同化が促進されるので、筋力や骨格筋量のUPには非常に効果的な運動です。

(写真)

職業が運送業の方と、事務の方では、骨格筋量に差があることは一目瞭然だと思います。

しかし、resistance exerciseの効果は永続的に持続するわけではありません。

高校を卒業して、運動に取り組む機会が減少すると、骨格筋量の減少だけでなく、肥満に頭を抱える方も一定数いると思います。

骨格筋量の減少は有害健康転帰(adverse health outcomes)の発生に繋がる原因となります。

有害健康転帰とは、転倒、入院、要介護への移行、死亡など、健康に有害となるイベンが発生することを指します。

そのため、resistance exerciseによる効果を維持し、健康寿命の延伸に繋げるためには、運動の継続または再開が必要となります。

本日は、resistance exerciseの効果の持続性について解説をしたいと思います。

効果の持続性

resistance exerciseで獲得した筋力や骨格筋量は、運動実施期間の約2倍の期間をかけて元の状態へ戻るとされています。

resistance exerciseを12週間かけて実施して、その後を追跡をした研究があります。

この研究によると、この期間でUPした筋力と骨格筋量は、中止と共に減弱が始まることが示唆されています。

運動休止12週間後に、効果は半減します。

運動休止24週間後には、効果がほぼ消失します。

そのため、運動期間と同期間の休止は許容範囲と言えそうです。

運動を中止しても、再開したら問題ありません。

しかし、高齢者の場合、運動の実施、休止、再開といった管理を行うことは困難です。

基本的には運動を継続・習慣化させていくことが大切だとされています。

理学療法士の役割

日常生活動作(Activities of Daily Living:ADL)を維持し、有害健康転帰の発生を予防するためには、運動の総実施時間の確保が重要です。

この視座で考えると、高齢者の場合は、高負荷・低頻度のトレーニングは必要ではありません。

低負荷・高頻度でのトレーニングを継続する方が優先度としては高いと言えます。

現代は、時間に余裕がある方が少なく、日常生活の中で運動ができる仕組みづくりが重要です。

運動指導を行う際は、利用者の環境や個性も鑑みて、運動の継続に重点を置く方が建設的な考えです。

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おわりに

今回はresistance exerciseの効果の持続性について解説しました。

resistance exerciseの効果は永続的ではありません。

筋力や骨格筋量は、運動実施期間の約2倍の期間をかけて元の状態へ戻るとされています。

この特性を把握した上で、運動を継続するための仕組みづくりが重要だと言えます。

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