こんにちは。
株式会社BooSTの畠山です。
今回は「半数の人は延命治療を望んでいない?〜終活始めませんか?〜」についてお話しをします。
参考文献
今回は「理学療法ジャーナル Vol.57 No.10」を参考にさせていただきました。
筆者は筑波大学 医師 木沢 義之氏です。
特定非営利活動法人 日本緩和医学会(Japanese Society for Palliative Medicine)の理事長です。
このような権威ある方が理学療法ジャーナルに寄稿していただけるのは感銘を受けました。
はじめに
ACPには類似する概念がありますが、違いを理解するには骨が折れます。
私も終活のコンサルティングを行うようになって初めて身につけた知識が多く、医療従事者だけでなく、一般の方にも認知を広げたい想いがあります。
今回は、その類似する概念の違いについて説明させていただきます。
Advance Directive(AD)
ADは、事前指示書と称されています。
突然の事故や病気で意思を表示できなくなる可能性は十分に想定される事態です。
判断能力が低下or消失した場合を想定して、事前に治療に対する希望や選択を書類として残すことで効力を発揮することが可能です。
ADは医療だけに活用されるものではなく、介護や日常生活における選択にも活用できます。
そのため、当社が提供しているサービスとの親和性は非常に高く、理想的な人生を送るためのサポートが可能となります。
ADは状況に変化が生じた際に見直すことも可能です。
以下のテンプレートを活用して、あなたの意思を形に残してみるのはいかがでしょうか?
Living Will(LW)
LWは、意思表示ができなくなった状態を想定して、事前に延命治療や緩和ケアの希望を家族や主治医に書類として残すことで効力を発揮することが可能です。
意思決定における代理者を予め選定し、本人と代理者が現在と将来の病状を共有した上で、本人が生活や治療における価値観や希望しているかを共有することで、複雑な状況に直面した際に対応がスムーズに行なわれるメリットがあります。
以下のテンプレートを活用して、あなたの意思を形に残してください!
ADとLWの違い
まず、ACPはADやLWを作成する過程であることを理解しましょう。
ADは広義のACP、LWは狭義のACPと言い換えることができます。
違いを表にまとめました。
AD | LW | |
意思決定者の指定 | 含まれる | 含まれない |
範囲 | 医療・介護全般 | 終末期医療に特化 |
日本での法的拘束力 | ない | ない |
目的 | 本人の意思を包括的に尊重して治療方針を決定する | 終末期医療に特化して本人の意思を反映する |
半数の人は意向に反した治療を受けている!?
ADの効果を検証した臨床研究(the study to understand prognoses and preferences for outcomes and risks of treatments:SUPPORT研究)では、以下のことが判明しました。
・50%の終末期患者が人工呼吸器の使用や心肺蘇生などを望んでいない
・患者の希望を提供する治療に十分に反映できていない
・終末期ケアの改善には役立たない
その原因として以下のことが指摘されました。
・医療従事者、代理意思決定者、本人が事前に情報十分に共有できておらず、ADに沿った行動や治療ができなかった
・臨床でADに記載されていない複雑な項目が発生した際に判断に迷う
SUPPORT研究の結果から、ADの項目を記載しておくだけでは、本人の意向が十分に尊重、反映されない可能性があることが判明しました。
そこで、意思決定に至るまでの過程において医療従事者、家族、代理意思決定者、本人が共有することの重要性が指摘されました。
ACPが必要な理由
ACPの最大の目的は、人生の最期の選択を家族や本人が事前に話し合うことです。
人生の最終段階では、本人に十分な判断能力が残されていることはないと言っても過言ではありません。
私は、在宅医療に携わっておりますが、本人だけでなく家族も様々なお悩みを抱えています。
本人は、打ち明ける決心がつかず、1人で葛藤することも珍しくありません。
家族にも意思を共有し、尊重していただくことは非常に重要なことです。
しかし、このような内容が議題に上がることは少なく、途方に暮れるという家庭も多いのが現状です。
五島市では、終活に向けた活動が活性化しています。
2月11日に五島市で終活のイベントが開催されるので、チェックしてみてください!
▷五島市
さいごに
終活は議題に上げにくいテーマです。
しかし、人生の締めくくりは非常に重要なテーマです。
当社では、このような話題をもっとフラットに話し合える環境創りに携わりたいと思っています。
私自身、今年中に終末期ケア専門士の資格の取得を目指しており、非常に勉強になりました。
この知識を啓発していきたいと思います!
あなたも資格の取得にチャレンジして、知識の啓発を行っていきませんか?