こんにちは。BooSTの畠山です。
今回は「サルコペニア・フレイル・ロコモティブシンドロームの違い〜あなたは違いを説明できる人?〜」についてお話しをさせていただきます。
参考文献
今回は「イチからわかる!サルコペニア Q&A」を参考にさせていただきました。
筆者は筑波大学 山田 実氏です。
リンクを記載しますので、詳細を知りたい方はご参照ください。
https://www2.human.tsukuba.ac.jp/faculty_j/yamada-minoru
はじめに
最近は、サルコペニア(sarcopenia)、フレイル(frail)、ロコモティブシンドローム(locomotive syndrome)というワードを頻繁に目にするようになりました。
しかし、明確な違いを説明できる方とは出会ったことがなく、私も学生の頃は区別がつきませんでした。
これらは単純な違いしかありません。
今日は運動器のプロフェッショナルである理学療法士がそれぞれの違いにフォーカスを当てて解説します。
フレイルとは?
フレイルは日本老年医学会によって提唱されました。
フレイルは、社会的フレイル、身体的フレイル、精神的フレイルという複合的な概念です。
診断基準であるCHS(Cardiovascular Health Study Criteria)基準が身体的フレイルに偏っていたため、身体的フレイルが狭義のフレイルとして認識されるようになりました。
詳細はこちらの記事をご参照ください。
ロコモティブシンドロームとは?
ロコモティブシンドロームは日本整形外科学会によって提唱されました。
関節、筋、骨といった運動器の機能が低下した状態を指します。
サルコペニアとは?
サルコペニアは“筋力低下”と“骨格筋量減少”の両者を合併している状態を指します。
詳細はこちらの記事をご参照ください。
それぞれの違い
フレイル、ロコモティブシンドローム、サルコペニアを図式化すると以下の通りです。
いずれも運動器の障害が含まれているので、混同しやすいことに疑いの余地はありません。
その中でも、フレイルとサルコペニアは臨床では同義として扱う場合が多いですが、明確な違いがあります。
サルコペニアは“筋力”と“骨格筋量”が低下して重症化してもサルコペニアです。
しかし、フレイルは重症化するとフレイルではなくなり、要介護となります。
フレイルは健康と要介護の中間に位置付けられている点が大きな特徴です。
おわりに
今回は、サルコペニア・フレイル・ロコモティブシンドロームの違いについて解説しました。
臨床ではどの項目にフォーカスを当てるかが重要となります。
高齢者の場合は、ADLの向上を目的にリハビリテーションを提供することが非常に重要です。
フレイルに着目して包括的に捉えることも戦略の1つです。
サルコペニアに着目して丁寧に介入することも戦略としては面白いかもしれません。
私は、自分が最適だと思う方法を模索して、常に追求する姿勢が重要だと感じています。
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