こんにちは。BooSTの畠山です。
今回は「サルコペニアと死亡率〜死亡率が○倍になる危険な疾患です〜」についてお話しをさせていただきます。
参考文献
今回は「イチからわかる!サルコペニア Q&A」を参考にさせていただきました。
筆者は筑波大学 山田 実氏です。
リンクを記載しますので、詳細を知りたい方はご参照ください。
https://www2.human.tsukuba.ac.jp/faculty_j/yamada-minoru
はじめに
「サルコペニアを発症して死亡するなんて聞いたことないから治療しなくても大丈夫」
その認識は本当に正解でしょうか?
実は、サルコペニアはall cause mortalityとの関連性が指摘されています。
all cause mortalityとは、死亡を転帰として予後を検証するワードです。
医療従事者にとってサルコペニアと死亡との関連性は最も重要な項目の1つです。
一般の方にとっても関心が高い項目ではないでしょうか?
今回は運動器のプロフェッショナルである理学療法士がサルコペニアと死亡率との関連にフォーカスを当てて解説します。
サルコペニアの特徴
サルコペニアは握力、骨格筋量、歩行速度で簡単に診断することができます。
いずれも運動器の指標であるため、整形外科の領域で発展したと思うのが普通です。
しかし、サルコペニアは心不全や糖尿病といった内部疾患との関連が深く、死亡という有害健康転帰(adverse health outcomes)に大きな影響を及ぼすため、内科の領域で発展した経緯があります。
有害健康転帰とは、転倒、入院、要介護への移行、死亡など、健康に有害となるイベンが発生することを指します。
サルコペニアと死亡率の関係
サルコペニアは死亡という有害健康転帰の発生にに大きな影響を及ぼすことは先述しました。
最近では、複数のシステマティックレビュー(systematic review)により、サルコペニアと死亡の関連が検討されています。
システマティックレビューはエビデンスのレベルとては高いく、信頼性が非常に高い研究を指します。
海外の研究にはなりますが、サルコペニアを発症することで、5年以内に約2.1倍、5年以降は約1.5倍まで死亡率が高まることが報告されています。
こちらは、入院して治療を受けている高齢者だけの結果ではない点がポイントです。
地域で生活をしている高齢者も同様の結果である点が特徴なので安心はできません。
サルコペニアが死亡率をを高める理由
では、サルコペニアが死亡率を高める要因は何が考えられるのでしょうか?
・筋力が低下する
・骨格筋量が減少する
・サルコペニアが様々な疾患を発症させる原因となる
・転倒のリスクが増大する
・要介護に移行する原因となる など…
骨格筋量が低下すると、貯蔵できるエネルギーも相対的に低下します。
エネルギーが不足すると、骨格筋だけでなく、心臓や肺などの臓器も十分に動かすことができなくなり、結果的に生命活動の維持に支障が生じるようになります。
サルコペニアと死亡率が深く関連することを説明するには十分な根拠となります。
サルコペニアを早期発見し、早期治療を行うことで、転帰は全く別のものになります。
手遅れとならない内に医師や理学療法士に相談しましょう!
おわりに
サルコペニアはall cause mortalityとの関連性が報告されている疾患です。
入院して治療を受けている高齢者だけでなく、地域で生活をしている高齢者も同様の死亡率となる点が特徴なので安心はできません。
サルコペニアは早期発見・早期治療が重要です。
医師や理学療法士に相談して、改善するためのサポートを受けましょう!
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