【医療・介護講座】サルコペニアを発症してもどうにかなる!〜1ヶ月の努力で改善を実感しよう〜

【医療・介護講座】サルコペニアを発症してもどうにかなる!〜1ヶ月の努力で改善を実感しよう〜

こんにちは。BooSTの畠山です。

今回は「サルコペニアを発症してもどうにかなる!〜1ヶ月の努力で改善を実感しよう〜」についてお話しをさせていただきます。

参考文献

今回は「イチからわかる!サルコペニア Q&A」を参考にさせていただきました。

筆者は筑波大学 山田 実氏です。

リンクを記載しますので、詳細を知りたい方はご参照ください。

https://www2.human.tsukuba.ac.jp/faculty_j/yamada-minoru

はじめに

皆さんは、サルコペニアが改善することをご存じでしょうか?

サルコペニアを発症した場合でも、運動療法と食事療法を継続して実施することで、筋力、骨格筋量、身体機能が向上することが報告されています。

しかし、健常者と同等の機能まで改善が認められたいう報告は現状では存在しません。

様々な疾患を合併している方でも効果が認められている点は、有害健康転帰(adverse health outcomes)を考慮しても積極的に治療を行うべきだと考えます。

有害健康転帰とは、転倒、入院、要介護への移行、死亡など、健康に有害となるイベンが発生することを指します。

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今回は、運動器のプロフェッショナルである理学療法士がサルコペニアの治療と評価にフォーカスを当てて解説します。

サルコペニアが改善しているか評価する方法

サルコペニアは運動療法と食事療法を継続的に実施することで予防できます。

予防には段階があることをご存じでしょうか?

○一次予防

「病気の予防」を指します。予防接種が一次予防に当たります。

https://kokoro.mhlw.go.jp/glossaries/word-1518/

○二次予防

「早期発見・早期治療」を指します。健康診断が二次予防に当たります。

https://kokoro.mhlw.go.jp/glossaries/word-1664/

○三次予防

「社会復帰」を指します。リハビリテーションが三次予防に当たります。

https://kokoro.mhlw.go.jp/glossaries/word-1567/

改善の程度を把握するには、治療の効果を判定する必要があります。

Asian Working Group for Sarcopenia(AWGS)では、サルコペニアの診断基準を提唱しています。

サルコペニアの診断には“握力” “骨格筋量” “歩行速度”の評価が原則となっています。

しかし、左記の指標を改善しようと思うと、ある程度の時間がかかります。

数値に変化が見られなかった場合でも、骨格筋の機能が変化している可能性があります。

結果に表れない場合もあるため、モチベーションが維持できず、リタイアしてしまう原因となります。

そのため、スクリーニング指標と効果判定指標は明確に区別しておく必要があります。

スクリーニング指標

スクリーニング指標とは、病気の早期発見を目的に行う検査です。

○メリット

・病気の早期発見・早期治療につながる

○デメリット

・偽陽性となる可能性が高い

・短期的に結果が変化する評価ではない

○例

・握力 ・骨格筋量 ・歩行速度

効果判定指標

効果判定指標とは、治療による成績を判定することを目的に行う検査です。

○メリット

・偽陽性となる可能性が低い

・短期的に結果が変化する

○デメリット

・検査に一定の時間を要する

○例

・位相角 ・等速性筋力測定

位相角

私は、生体電気インピーダンス法(Bioelectrical Impedance Analysis:BIA)で位相角(phase angle)を算出することが効果判定指標として最も有効だと考えています。

BIAで細胞膜と細胞内液の電気抵抗で位相角を算出できます。

正常な細胞であれば、電気抵抗が大きくなり、位相角も大きくなります。

しかし、細胞の生理的な機能が低下すると、電気抵抗も小さくなり、位相角も小さくなります。

位相角に関連する記事は過去にも投稿をしているので、以下のURLをご参考にされてください。

併せて読みたい記事

↓BIAで算出される位相角って何?〜男性は4.0° 女性は3.5°が基準です〜↓

残念ながら、BIAはペースメーカー植え込み術を受けている方は禁忌です。

循環器疾患をお持ちの方は、お近くの医療機関を受診して医師の診断を受けてください。

おわりに

今回は、運動器のプロフェッショナルである理学療法士がサルコペニアの治療と評価にフォーカスを当てて解説しました。

サルコペニアの方でも運動療法と食事療法を継続して実施することで、筋力、骨格筋量、身体機能などの値が向上することが認められています。

しかし、健常者と同等の機能まで改善が認められたいう報告は現状では存在しません。

“予防”に重点を置いて上手く付き合っていく必要があると考えています。

BIAのような効果判定指標で改善の程度を把握し、ゲームの主人公のような感覚で機能のレベルアップを図ることも楽しいと思います。

まずは軽い運動から始めることをオススメをします。

BooSTは合同会社MYSと連携して訪問リハビリテーションを提供しています。

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