
こんにちは。株式会社BooSTです。
今回は「サルコペニアなのに肥満ですか?」について解説を致します。
参考文献
今回は「イチからわかる!サルコペニア Q&A」を参考にさせていただきました。
筆者は筑波大学 山田 実氏です。
リンクを記載しますので、詳細を知りたい方はご参照ください。
https://www2.human.tsukuba.ac.jp/faculty_j/yamada-minoru
はじめに
サルコペニア(sarcopenia)は、筋肉を意味する“sarx”と、喪失を意味する“penia”からなる造語です。
ヒトは加齢による退行性変化により、骨格筋量が減少し、有害健康転帰(adverse health outcomes)に大きな影響を及ぼします。
有害健康転帰とは、転倒、入院、要介護への移行、死亡など、健康に有害となるイベンが発生することを指します。
現在は、“筋力低下”と“骨格筋量減少”の両者を合併している状態をサルコペニアとすることが一般的となっています。
併せて読みたい記事
↓サルコペニアとは?〜“筋力低下”と“骨格筋量減少”はマッチしません〜↓

肥満の原因はエネルギー供給量>エネルギー消費量です。

つまり、“運動不足”と“食べ過ぎ”が原因で肥満となります。
サルコペニアに肥満が合併した状態をサルコペニア肥満(sarcopenia ovesity)と言います。
今回は、サルコペニア肥満に注目して解説をさせていただきます。
サルコペニア肥満の評価
サルコペニアの診断には、Asian Working Group for Sarcopenia(AWGS)や、The European Working Group for Sarcopenia in Older People(EWGSOP)の診断基準を用いることが一般的です。
しかし、サルコペニア肥満の診断手順は確立されていません。
そのため、サルコペニアと肥満の評価を別個に行い、両者が陽性となった場合にサルコペニア肥満だと診断されます。
つまり、複数の尺度からサルコペニア肥満を診断することになります。
肥満の評価
肥満を判定するための評価は以下のようなものがあります。
・Body Mass Index(BMI)
・体脂肪率
・内臓脂肪面積
・腹囲
・内臓脂肪面積
それぞれの指標には長所と短所がありますが、サルコペニア肥満の本質を考えると、内臓脂肪の評価を行うことが理想です。
(写真)
サルコペニア肥満は生活習慣病を惹起し、有害健康転帰に影響を及ぼします。
つまり、生活習慣病の原因となる内臓脂肪を評価するための内臓脂肪面積や腹囲を評価することが理想だと言えます。
サルコペニア肥満の治療法
サルコペニア肥満を改善するための標準的治療は確立されていません。
しかし、一般的には運動療法で改善を目指す傾向があります。
実際にresistance exerciseや有酸素運動を行うことで、サルコペニア肥満を発症している方の体組成が改善した報告があります。
○resistance exercise

筋肉に負荷をかけて、繰り返し行う運動を指します。
筋蛋白質の同化が促進されるので、骨格筋量の増加には非常に有効です。
○有酸素運動

長時間継続して行う運動を指します。
有酸素運動は蛋白質の同化を促進する作用は認められていません。
しかし、蛋白質の異化を防止する機序は証明されているため、サルコペニアの治療に有効である可能性があります。
一方、栄養療法は医学的根拠(Evidence Based Medicine:EBM)が確立されていません。
(写真)
しかし、海外ではBMIが30以上(肥満Ⅱ)の方を対象に、resistance exerciseに加えて栄養療法を実施する場合もありことが報告されています。
○BMIの計算式
BMI=体重(kg)/身長(m)2
BMIの計算はコチラから可能です。
○BMIの判定
BMI | 判定 |
18.5未満 | 低体重 |
18.5〜25 | 普通体重 |
25〜30 | 肥満Ⅰ度 |
30〜35 | 肥満Ⅱ度 |
35〜40 | 肥満Ⅲ度 |
40以上 | 肥満Ⅳ |
今後、サルコペニア肥満に対しても栄養療法の有用性が示される可能性はあります。
おわりに
サルコペニアに肥満が合併した状態をサルコペニア肥満(sarcopenia ovesity)と言います。
サルコペニア肥満は有害健康転帰の発生に影響を及ぼします。
resistance exerciseや有酸素運動を習慣的に行い、内臓脂肪を減少させることが重要です。
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