
こんにちは。株式会社BooSTです。
今回は「運動は午後に実施するのがオススメです。」について解説を致します。
参考文献
今回は「イチからわかる!サルコペニア Q&A」を参考にさせていただきました。
筆者は筑波大学 山田 実氏です。
リンクを記載しますので、詳細を知りたい方はご参照ください。
https://www2.human.tsukuba.ac.jp/faculty_j/yamada-minoru
はじめに
理学療法士及び作業療法士法の第一章第二条で理学療法の定義がされています。
(定義)
この法律で「理学療法」とは、身体に障害のある者に対し、主としてその基本的動作能力の回復を図るため、治療体操その他の運動を行わせ、及び電気刺激、マツサージ、温熱その他の物理的手段を加えることをいう。
理学療法士は、“運動療法”と“物理療法”を治療の手段とすることが法律で定義されています。
実際、医療機関では物理療法が標準的治療として選択されています。
リハビリテーションを受けた方は、温熱療法や超音波療法などの物理療法を受けた経験がある方も一定数いらっしゃるのではないでしょうか?
物理療法の中でも特に温熱療法は臨床でも頻繁に選択されている治療法です。
今回は、骨格筋機能の改善に温熱療法は効果的であるかについて解説をさせていただきます。
温熱療法
温熱療法には、以下の効果が認められています。
・疼痛の緩和
・軟部組織の柔軟性の向上
・末梢血管の拡張=血流の増加
それぞれの生理学的機序に関しては、また機会があれば解説をさせていただきます。
骨格筋の温度は、骨格筋量の増加に関連している可能性が示唆されています。
○豚を対象とした実験
22℃の環境と、30℃の環境では、後者の方が骨格筋以内脂肪が減少しやすいことが判明しました。
○マウスを対象とした実験
23℃の環境と、41℃の環境では、後者の方が骨格筋量が増加することが判明しました。
左記のような生理学的変化の機序については十分に解明されていません。
しかし、低温環境と比較すると、高温環境の方が骨格筋の増強には効果を発揮すると考えられています。
臨床での活用
臨床では、骨格筋の温度を意識的に上昇させることは十分に可能です。
しかし、circadian rhythmを考慮することが重要です。
気温には日内変動がありますが、体温にも日内変動があります。
(写真)
人間の体温は、午前は体温が低く、午後は体温が高くなる傾向にあります。
高齢者では、骨格筋量の減少により、エネルギーの産生が低下することで、体温の上昇が得られにくい状態となります。
(写真)
resistance exerciseによる筋力の増強と、骨格筋量の増加を目的した運動を実施する場合には、午後に実施した方が効果的である可能性があります。
おわりに
現時点で温熱療法がサルコペニアの予防に有効的な効果があるとは言えません。
しかし、骨格筋の温度が骨格筋量の増加に繋がる可能性があることは一概に否定はできません。
また、circadian rhythmを考慮することで、運動の効率をUPさせることが可能です。
・運動前には十分なウォーミングアップを実施する
・午後に運動を実施する

いずれにせよ水分を摂取しながら脱水には十分に注意して運動に取り組んでください。
私は、物理療法が得意ではなかったので、この記事を通して再学習できたことは成長にも繋がりました。
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