![【医療・介護】ACPと障害受容〜理学療法士が信頼関係を構築しやすい理由〜](https://boost-ngs.com/wp-content/uploads/2025/02/50158037f7c886155e794270737c6963.jpg)
こんにちは。
株式会社BooSTの畠山です。
今回は「ACPと障害受容〜理学療法士が信頼関係を構築しやすい理由〜」についてお話しをします。
参考文献
今回は「理学療法ジャーナル Vol.57 No.10」を参考にさせていただきました。
筆者は筑波大学 医師 木沢 義之氏です。
特定非営利活動法人 日本緩和医学会(Japanese Society for Palliative Medicine)の理事長です。
このような権威ある方が理学療法ジャーナルに寄稿していただけるのは感銘を受けました。
はじめに
現在、政府は2週間で機能を改善させ、退院させる医療機関に対し、高い評価を与えています。
医療機関は国からの診療報酬により収益を上げているため、政府の指示には従う必要があります。
つまり、2週間以降の入院は、医療機関の収入が減少するだけでなく、評価が落ちることを意味します。
このような現状で、ACPを行う時間はなく、我々のような企業がその役割を担う必要があります。
今回は、ACPに興味を持っていただくためにメリットやデメリット、ACPを実施する手順などについて解説をしたいと思います。
ACPを行うメリットとデメリット
ACPに関連して、10年間で様々な研究と実践が行われ、多くの知見が集積されました。
これらの知見からACPを行うメリットとデメリットをまとめました。
<メリット>
・本人、家族、医療従事者、代理意思決定者のコミュニケーションが促進される。
・本人が希望していない延命治療の実施を防止する。
・本人の希望と医療従事者が実施する治療の方針が一致する。
・本人や家族の不安や抑うつの発症率が減少する。
<デメリット>
・障害受容の段階によって不安や抑うつが生じる。
・臨床現場の負担が増加する可能性がある。
そのため、患者の心理状態に沿って提案のタイミングや内容を考慮することが不可欠となります。
障害受容
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ACPを行うタイミングは非常に重要です。
怪我や病気により、後天的な障がいが残存してしまった場合、障がいを受容し、付き合っていく必要があります。
障害受容には5つの段階があることを理解して関わり方を工夫しましょう。
①ショック期
自分自身の状況や状態に理解が追いついていない状態です。
現実を認識・認知するまでに長い時間は必要としません。
②否認期
自分自身の障がいを受け入れることができない状態です。
リハビリテーションなどの治療に消極的な時期ですが、この時期の関わり方が非常に重要となります。
③混乱期
怒り、悲しみなどの感情が入り混じって混乱が生じている状態です。
行き場のない怒りを家族や医療従事者にぶつけるため、軋轢が生じやすい時期ということを理解して、サポートすることが重要となります。
④努力期
障がいの克服に向けて努力しようとする状態です。
リハビリテーションなどの治療に積極的に参加してもらう関わり方が重要となります。
⑤受容期
自分自身の障がいを受容している状態です。
残念ながら、全ての方が受容期まで至ることはありません。
しかし、大半の方は同様の心理的変容が生じると考えられています。
ACPの手順
ACPを実施する手順は以下の通りです。
①将来的な治療を選択する上で、病状、経過、予後などを共有した上で、大切にしている価値観などを話し合いたいと考えていることを本人へ伝え、承諾が得られたらAPCを開始する。
②病状、経過、予後などを共有し、大切にしている価値観、不安などについて質問する。
③本人の希望を聴取して家族等へ共有する。
いずれも本人の承諾を得ることが重要です。
ACPの実践における理学療法士への期待
理学療法士にとっても、障害受容の評価を行い、治療方針を立案することは非常に意味を持ちます。
なぜなら、患者と今後の治療や目標を話し合うことは重要で普遍的なものだからです。
医師や看護師などと連携し、重症度、病期、予後を考慮しながらACPを提案、実践することが重要です。
ACPの提案は、十分な信頼関係が構築できている人が実践・提案することが理想です。
理学療法士は20〜60分間/日/人と、治療を通じて患者と関わる時間が長く、ラポールが形成しやすいため、本人の価値観を探るには最適な職種だと言えます。
さいごに
ACPは“人生の締めくくり”と言えます。
しかし、現在の医療制度ではACPを実施する余裕はありません。
我々のような企業が積極的に取り組むことが今後の課題ではないでしょうか?
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私も非常に興味があるので、許可が下りたら参加したいと思います!