
こんにちは。株式会社BooSTです。
今回は「ビタミンDがサルコペニアを予防する?」について解説を致します。
参考文献
今回は「イチからわかる!サルコペニア Q&A」を参考にさせていただきました。
筆者は筑波大学 山田 実氏です。
リンクを記載しますので、詳細を知りたい方はご参照ください。
https://www2.human.tsukuba.ac.jp/faculty_j/yamada-minoru
はじめに
蛋白質はサルコペニアの予防に寄与する可能性があることは過去の記事で解説しました。
併せて読みたい記事
↓蛋白質を摂取するだけでサルコペニアを予防できる?↓

では、蛋白質以外に積極的に摂取することが推奨されている栄養素はないのでしょうか?
意外な栄養素が登場するので、最後まで目を通していただけると嬉しいです。
ビタミンDの骨格筋に対する作用
サルコペニアの発症や進行を予防する栄養素としてビタミンDが注目されています。
しかし、骨格筋に対するビタミンDの作用は、未だに十分な解明には至っていないのが現状です。
現在、typeⅡ線維のビタミンD受容体にビタミンDが結合することで、筋出力が改善されるという仮説が支持をされています。
typeⅡ線維は“白筋”を指しており、“筋瞬発力” に影響を及ぼしています。

そのため、100m走などを専門にしているアスリートで白筋の割合が高いことが報告されています。
typeⅡ線維では加齢による退行性変化の影響を受けやすいことが特徴です。
つまり、ビタミンDを十分に摂取することで、抗重力筋の機能が維持・改善される可能性があります。
そのため、高齢者は、意識的にビタミンDを摂取することが得策だと言えます。
ビタミンDを摂取する方法
ビタミンDを摂取するには2種類の方法があります。
○食事

ビタミンDは食事から摂取することが可能です。
○紫外線

ビタミンDは皮膚に紫外線が当たることにより生成されます。
高齢者の場合、以下の要因により、食事から摂取することが現実的だと言えます。
・屋外で活動する時間が制約される。
・季節や地理的要因により紫外線に暴露される時間を一定に維持することは現実的ではない。
ビタミンDが豊富に含有されている食材
ビタミンDが豊富に含有されている食材をご紹介します。
○キノコ類

ビタミンD2(ergocalciferol)が豊富に含有されています。
○魚介類

ビタミンD3(cholecalciferol)が豊富に含有されている
食品100gあたりのビタミンD含有量が高い食材も紹介させていただきます。
・鮭:32.0μg
・秋刀魚が19.0μg
・しめじが2.2μg
蛋白質と比較すると、ビタミンDを摂取できる食材は限定されます。
当事業所では、様々なレシピを紹介する活動も開始する予定です。続報をお待ちください。
ビタミンDの推奨摂取量
ビタミンDの摂取量を反映する指標に血中25-水酸化ビタミンD(25-hydroxyvitamin D)があります。
こちらは非常に専門的な知識で、皆様の混乱を招く可能性があるため、詳細は控えさせていただきます。
ビタミンDは血中25-水酸化ビタミンDを測定することで欠乏しているか評価することができます。
・十分:30ng/ml以上
・不足:20〜30ng/ml
・欠乏20ng/ml以下
欠乏した状態では、サルコペニアの有病率が上昇することが報告されています。
また、ビタミンDを十分に摂取できている方は、有害健康転帰(adverse health outcomes)の発生率が低下することが報告されています。
有害健康転帰とは、転倒、入院、要介護への移行、死亡など、健康に有害となるイベンが発生することを指します。
血液検査が必要となるため、あまり現実的な評価ではないため、参考程度の知識だと思ってください。
日本人の食事摂取基準では、ビタミンDの摂取目安量は5.5μg/dayとされています。
この値を目安にビタミンDを摂取することが推奨されます。
また、上限は100μg/dayとされています。
過剰にビタミンDを摂取しないことも意識してください。
日本人の食事摂取基準のP156〜P162に詳細が記載されているので、参考にされてください。
おわりに
ビタミンDはサルコペニアの予防に寄与する可能性があります。
ビタミンDの欠乏は、有害健康転帰を惹起する危険性があります。
キノコ類や魚介類からビタミンDを約5.5μg/day摂取を目安に摂取する必要があります。
株式会社BooSTは合同会社MYS様と連携して訪問リハビリテーションを提供しています。

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